準固定費と準変動費の基礎

原価は、原価の発生額と操業度の増減との関連性の有無により固定費と変動費とに分類されますが、実際には固定費と変動費との要素を共に備えた準固定費または準変動費と呼ばれるものがあります。

1.準固定費とは

準固定費とは、ある範囲内の操業度の変化では固定的ですが、その範囲をこえると急増し、再び固定化するような原価をいいます。
たとえば、これまではお昼だけ操業していた工場が操業時間を延長し、深夜まで操業するようになった場合、お昼の従業員をそのまま深夜まで働かせるわけにはいきませんので、お昼の従業員とは別に、深夜の操業に従事する従業員を雇ってお給料を支払わなければなりません。
この場合、従業員に支払う固定給は準固定費となります

2.準変動費とは

準変動費とは、操業度が0(ゼロ)の場合にも一定額が発生し、同時に操業度の増加に応じて比例的に増加する原価をいいます。
電気料金などは実際の使用量に関係なく毎月一定額が発生する基本料金部分と、実際の電気使用量に応じて料金が増加していく従量制の部分とに分けることができますが、このような費用は準変動費と呼ばれます。

準固定費又は準変動費は、固定費又は変動費とみなして、これをそのいずれかに帰属させるか、もしくは固定費と変動費とが合成されたものであると解しこれを固定費の部分と変動費の部分とに分類することになります(原価計算基準八(四)操業度との関連における分類等参照)。

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