カテゴリー別アーカイブ: 原価計算・工業簿記の基礎

工業簿記の財務諸表(製造原価報告書とは)

簿記の目的は財務諸表を作成することです(工業簿記でも商業簿記でもこれは変わりません)。

財務諸表とは企業の一定期間における経営成績(1年間でいくら儲かったのか)や一定時点における財政状態(いくら資産を持っていていくら借金があるのか)を企業の利害関係者に明らかにするための表を言います。商業簿記の3級を勉強されたことのある方であればおなじみの損益計算書や貸借対照表がこれにあたります。 続きを読む

工業簿記の勘定の基本的な流れ(受け入れと払い出し)

商業簿記の現金や商品などの仕訳や勘定は増加した時は借方(向かって左側)、減少した時は貸方(向かって右側)にその金額を記入します。

工業簿記の仕訳や勘定でも、基本的な考え方は同じで、増加した時は借方、減少した時は貸方にその金額を記入します。
工業簿記の仕訳や勘定の記入では工場におけるモノの流れつまり 続きを読む

財務会計と管理会計の基礎(誰に対する会計か?)

工業簿記や原価計算の勉強をしていくと、財務会計や管理会計という言葉を目にすることがあります。
一般に会計(企業会計)といえば、会社の情報を利害関係者に報告することを言いますが、ではこの財務会計や管理会計とはどのような場合に使用する(あるいは使い分けをする)のでしょうか?

一般に企業会計はその情報の提供先(誰に会社の情報を報告するか)により財務会計と管理会計とに分けることができます 続きを読む

総原価と製造原価の違い(基本)

原価計算制度において原価とは、経営(ここでは製品を製造し販売する一連の活動と考えてください)における一定の給付にかかわらせて把握された財貨又はサービスの消費を、貨幣価値的(金銭的)に表わしたものをいいうものされています(原価計算基準「三 原価の本質」など参照)。

すなわち、広く原価といった場合には製品の製造にかかった原価(製造原価)のみならず、これを販売するための活動にかかった支出や管理するための支出も含まれる場合があります。
このように製品の製造のみならず、これを販売するためにかかった費用なども含めた原価を製造原価に対し総原価といいます。

総原価 経営(製造活動のみならず販売活動や管理部門における活動費を含む)における一定の給付にかかわらせて把握された財貨または用役(サービス)の消費を、貨幣価値的に表わしたもの。

総原価は製品の製造原価のみならず、販売費や一般管理費をも包括する原価概念である。

製造原価 製品の製造のために発生した原価をいいます(材料費・労務費・経費などはすべて製造原価です。工業簿記でいう原価は特に断りのない限りはこの製造原価を指します)

上記の通り、工業簿記でいう原価は特に断りのない限り製造原価を指します(このサイトでも特に断りのない限り原価といえば製造原価を指しています)。

原価計算制度と特殊原価調査

原価計算は、財務会計(財務諸表を作成するために常時継続的に行われる計算や記帳)と関わりにより、制度としての原価計算(原価計算制度)と制度外の原価計算に属するもの(特殊原価調査・特殊な原価調査)とに分けることができます(原価計算基準第一章「二 原価計算制度」参照)。 続きを読む

工業簿記と商業簿記との違い(工業簿記の特徴)

このサイトでは主に工業簿記についてご紹介していますが、簿記には工業簿記のほか、商業簿記と呼ばれるものがあります。
一般的には、簿記の学習は商業簿記から始めることが多いと思われますので、簿記の学習をされたことのある方にはよりなじみの深いのは商業簿記の方だと思われます。 続きを読む