製品原価と期間原価(収益との対応関係に基づく分類)とは

原価は収益との対応関係に基づいて、以下のような製品原価と期間原価とに分類することができます(原価計算基準 四.原価の諸概念 (二)製品原価と期間原価 参照)。

製品原価 製品原価とは各製品に紐づけて集計され、その製品が販売された時点においてその製品に関する売上収益と対応させ、損益計算書上の費用として処理される原価をいいます。
期間原価 期間原価とは一定期間における発生額を、そのまま発生した期間における売上収益と対応させ、費用として処理する原価をいいます。

製品原価として集計された材料費や労務費(製品に紐づけされた原価)などは、その製品が販売されるまで損益計算書に費用として計上されることはなく、期末仕掛品や期末製品として処理され貸借対照表の資産として翌期以降に繰り越されることになります。
その後の期間において当該製品が外部へ販売されればその期間の費用として処理されることになります(販売された製品に紐づけられた原価は、その製品が売れた時点において、損益計算書上の費用(売上原価)となる)。

いっぽう、期間原価として処理された管理費などは製品ごとに紐づけされず、その期間の発生額をそのままその期間の売上高に対応させて損益計算書の費用として計上することになります。

現在の制度会計においては、売上品およびたな卸資産の価額を構成する全部の製造原価(材料費・労務費・労務費のすべて)を製品原価とし、販売費および一般管理費はこれを期間原価として処理することになります(全部原価計算)。

なお利益管理などの目的から、たとえば製品の製造量により発生額が異なる原価(変動費)のみを製品原価として集計し、製品の生産量に影響されない原価(固定費)を期間原価として集計する原価計算(直接原価計算・制度会計の枠外)が行われることもあります。

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