組直接費と組間接費との分解(組別総合原価計算)

組別総合原価計算では、まず一期間の製造費用を組直接費と組間接費とに分け、個別原価計算に準じ、組直接費は各組の製品に賦課し、組間接費は適当な配賦基準によりこれを各組に配賦します(原価計算基準「二三 組別総合原価計算」参照)。

組直接費とはどの組(製造ライン)で発生したものかが直接にわかる原価をいい、組間接費とはどの組で発生したものかが直接にはわからない原価をいいます。

たとえば木製品を連続生産している工場において、学習机と本棚という2つの異なる種類の製品を大量生産している場合を考えてください。この工場では学習机の製造ラインと本棚の製造ラインをそれぞれ組とし、組別総合原価計算を行っています。

組別総合原価計算を行っているため、まず最初のステップとして一定期間に発生した製造費用を組直接費と組間接費とに分ける必要がありますが、たとえばそれぞれの製造ラインで働く工員(直接工)の賃金は、どの組で発生したものかが明らかですので組直接費となります。
いっぽう、工場全体で発生する電気代が水道代などは、どの組でいくらの金額が発生したのかが分からない(直接的にはわかりづらい)ものですので組間接費となります。

組別総合原価計算では、このように一定期間に発生した製造費用を組直接費と組間接費とに分け、組直接費は各組に直課(賦課)し、組間接費は何らかの配賦基準(たとえば各組の機械稼働時間など)を使ってその発生金額を各組に配賦することになります。

組直接費 組直接費とは、どの組(製造ライン)にいくらかかったかを直接的に把握できる原価をいいます。例えば、それぞれの製造ラインで作業に従事する作業員(直接工)の賃金などは組直接費となります。
組間接費 組間接費とは、どの組(製造ライン)にいくらかかったかを直接的に把握することができない又は把握することが困難な原価をいいます。例えば、たとえば工場全体で発生する電気料金や燃料代、あるいは工場全体のメンテナンスを担当するメンテナンス部門の作業員の賃金などは、どの組でいくらの金額が発生したのかが明確ではないため組間接費となります。

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