材料を購入した時の購入原価は、原則として実際の購入原価とし、次のいずれかの金額によって計算します(原価計算基準 十一(四)参照)。
1.購入原価=購入代価+引取費用 2.購入原価=購入代価+材料副費(引取費用を含む) |
・購入代価とは、材料の本体価格をいいます。
・引取費用とは、買入手数料・引取運賃・荷役費・保険料・関税等など、材料を購入し入庫するまでに要した付随費用をいいます。引取費用など、材料を購入・入庫するまでに要した付随費用を特に外部材料副費ということもあります。
・材料を購入や保管するために掛かった付随費用を材料副費といいます(引取費用含む)。また、購入事務・検収・整理・選別・手入・保管など、材料入庫後に発生する付随費用を内部材料副費ということもあります。
上記2において、必要ある場合には、引取費用以外の材料副費(内部材料副費)の一部を購入代価に加算しないことができます。
材料副費の一部を材料の購入原価に算入しない場合には、これを間接経費に属する項目とし又は材料費に配賦します。
(具体例-材料の購入原価の算定)
設問1.材料10個(@300円)を購入した。代金は引取運賃500円とともに現金で支払った。材料の購入原価を求めなさい。
(計算過程)
材料の購入原価は購入代価(本体価格)及び付随費用の合計となりますので、購入原価は以下の算式によって算定します。
購入代価(本体価格)=10個×@300円=3,000円 購入原価=購入代価3,000円+引取費用500円=3,500円 したがって材料の購入原価は3,500円(単価は1個当たり350円)となります。 |
設問2.材料10個(@300円)を購入した。代金は引取運賃500円とともに現金で支払った。また当該材料の検収・保管費用として300円が発生した。材料の購入原価を求めなさい(材料の購入原価は購入代価にすべての付随費用を含めて算定するものとする)。
(計算過程)
材料の購入原価は購入代価(本体価格)及び付随費用の合計となります。付随費用について、入庫までに発生する外部材料副費として引取運賃500円、入庫後に発生する内部材料副費として検収・保管費300円が発生していますが、本設例ではすべての付随費用を購入原価に算入するため、以下の算式によって算定します。
購入代価(本体価格)=10個×@300円=3,000円 購入原価=購入代価3,000円+引取費用500円+外部副費300円=3,800円 したがって材料の購入原価は3,800円(単価は1個当たり380円)となります。 |
(関連項目)
材料費(ざいりょうひ)の分類
材料副費とは(外部材料副費と内部材料副費)
材料勘定の記帳の基礎
材料の消費原価の計算の基礎