平均操業度とは(基準操業度の決定)

基準操業度を決定する際に、その決定のもととなる操業度の水準には理論的生産能力・実際的生産能力・期待実際操業度・平均操業度の4つがあります。
このページでは上記4つの操業度水準のうち、平均操業度について基本的な考え方と計算例をご説明しています。

平均操業度とは、工場の操業に関係する季節的な影響や予想される景気変動等による影響を長期的に平均化して算定される操業度をいいます。
長期的に平均化する期間は通常は3年または5年程度(1年以上の期間)となり、この期間における季節的な影響や予想される景気変動等による影響をもとに必要な生産量を予測し、この生産量をもとに操業度を算定することになります。

実際の平均操業度の算定については、予測される必要な生産量を予測した期間で除し、これを製品1単位当たりに必要な配賦基準で乗じて算定します。

平均操業度=予想生産量÷期間×製品1単位あたりの配賦基準

例えば、今後5年間の予測生産量を1,000個、製品1単位あたりの配賦基準を10作業時間とした場合の平均操業度は以下のように算定します

平均操業度:予測生産量1,000個÷予測期間5年×製品1単位当たりの作業時間10時間=2,000作業時間

平均操業度を算定させる問題においては、必要生産量を見込販売量や在庫量などから算定させる場合もあります。必要生産量と見込販売量や在庫との間には次のような関係が成り立ちます。

必要生産量=予想販売量+期間経過後の必要在庫量-期首在庫量

平均操業度は季節的な影響や景気変動などによる操業度水準への影響などを予測することが難しくない業種などでは合理的な操業度水準を提供することになります。

平均操業度の計算例

今後5年間の製品の見込み販売量は1,000個、5年後における必要在庫量は100個、現在の期首在庫量は200個あり、また製品1単位あたりの必要作業時間は2時間であると見込まれる場合の平均操業度(作業時間)を算定しなさい。

(解答)

製品の必要生産量:見込販売量1,000個+5年後の必要在庫量100個-期首在庫200個=900個
平均操業度:必要生産量900個÷5年×製品1個当たりの作業時間2時間=360作業時間


5年間見込販売量や5年後の必要在庫から5年間の必要生産量を算定し、これを5年間で按分(平均)することにより5年間における毎年の平均生産量を求めます。この平均生産量に製品1単位あたりの作業時間を乗じることにより、平均操業度を算定します。

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