理論的生産能力とは(基準操業度の決定)

基準操業度を決定する際に、その決定のもととなる操業度の水準には理論的生産能力・実際的生産能力・期待実際操業度・平均操業度の4つがあります。
このページでは上記4つの操業度水準のうち、理論的生産能力について基本的な考え方と計算例をご説明しています。

理論的生産能力は、機械の故障やメンテナンス・工員の欠勤などによる生産の休止や作業効率の低下などは一切考慮せず、まさに理想的なフル稼働の状態が継続的に持続されるものと想定して設定される操業度水準を言います。まさに時間的・効率的な無駄は一切発生せずに工場の設備や人員をフル稼働させることができた場合に達成される操業度水準を言います。

ただし、現実的には機械の故障や工員の欠勤、その他のさまざまな理由による工場設備の停止・稼働率の低下などは避けることはできず、上記のような操業度の水準は理論的には可能であっても実際には達成不可能と考えられます。
したがって理論的生産能力は基準操業度としては採用されない操業度の水準といえます(ただし実際的生産能力などを算定する際の基礎となりますのでまったく意味のないものではありません)。

理論的生産能力の計算例

A工場では年間300日工場を稼働させ、3交代制24時間フル稼働で機械10台を稼働させる予定である。A工場における機械稼働時間の理論的生産能力を求めなさい。

(解答)

理論的生産能力:300日×24時間×機械10台=72,000機械稼働時間

(考え方)
上記のとおり理論的生産能力のとは、機械の故障やメンテナンスによる休止分や工員の欠勤などは一切考慮せず、理想的な状態が継続的に持続されるものと想定して設定される操業度水準を言います。まさに時間的・効率的な無駄は一切発生せずに工場の設備や人員をフル稼働させることができた場合に達成される操業度水準を言います。
本設問においても工場の稼働日数300日間10台の工場を24時間フル稼働したものとして算定される機械稼働時間を理論的生産能力として算定することになります。

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