材料副費とは材料の購入に際し附随的に発生する費用(本体価格以外の支出)をいいます。
材料副費は材料を工場(倉庫)に運び入れるまでに発生する引取費用(外部材料副費)と材料を運び入れた後にかかる引取費用以外の材料副費(内部材料副費)とに分けることができますが、材料副費の処理方法については次の3つの方法があります(原価計算基準 十一「材料費計算」(四)参照)
1.材料の購入時に材料の購入代価に加算する方法
2.材料の消費時に配賦する方法 3.間接経費として処理する方法 |
材料副費の処理は上記のような方法がありますが、原則的な方法としては材料の購入時に購入原価に加算して処理します(上記1の方法)。
材料の購入代価に材料副費を加算する場合は予定配賦率により配賦計算を行うこともできます(予定配賦する場合の詳細は材料副費の処理(予定配賦する方法)をご参照ください)。
このページでは材料の購入時に材料副費の実際発生額を購入原価に加算する方法についての計算方法や仕訳の流れについて、数値例を使いながらご説明いたします。
材料の購入時に購入原価に加算して処理する方法(原則法)
主要材料Aを300個掛けで仕入れた。Aの1個当たりの単価は@100円である。なお材料Aを工場へ運搬するにあたり支払運賃が全体で3,000円発生しており、現金で支払った。 材料副費は材料の購入時に実際発生額を購入原価に加算するものとした場合の主要材料Aの購入原価と購入時の仕訳を示しなさい。 |
1.購入原価の計算
材料副費は実際発生額を材料の購入時に購入代価に加算して材料全体の購入原価を算定しますので、主要材料Aの購入原価はAの購入代価(本体価格)と材料購入にかかった諸掛(材料副費)を加算すればよいことになります。
主要材料Aの購入原価:主要材料Aの購入代価300個×@100円+材料副費3,000円=33,000円
なお、一つの材料副費が複数の種類の材料の購入に関連して発生する場合には、材料副費の実際発生額をそれぞれの材料の購入代価や数量・重量などの比率に基づき実際配賦します。
2.材料服地を実際配賦する場合の仕訳の流れ
材料副費の支出額は『材料副費』勘定の借方に支払額を記入します。また材料副費の実際発生額を材料の購入原価に加算する場合には、その実際発生額を材料副費勘定の貸方から材料勘定の借方へと転記します。
なお材料の購入代価(本体価格)についてはそのまま購入金額を材料勘定の借方に記帳します。これにより材料勘定の借方には材料の購入代価と材料副費の実際発生金額が集計されることになります。
この設例では、まず材料副費として支払運賃3,000円を現金で支払っていますので、この支払い額を材料副費勘定の借方へ集計します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
材料副費 | 3,000 | 現金 | 3,000 |
次に材料の購入代価(本体価格)と材料副費の実際発生額を材料勘定の借方へと集計します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
材料 | 30,000 | 買掛金 | 30,000 |
材料 | 3,000 | 材料副費 | 3,000 |
この仕訳により材料勘定の借方には材料の購入原価33,000円が集計されることになります。