予定配賦率の算定

原価計算基準三三「間接費の配賦」においては、個別原価計算の間接費は原則として予定配賦率をもって各指図書(各製品)へ配賦するものとしています(製造間接費は予定配賦計算を原則と位置づけています)。

予定配賦とは、あらかじめ定めておいた予定配賦率に実際の配賦基準(各製品ごとにかかった作業時間など)を乗じて、各製品ごとへ配賦する製造間接費を算定する方法をいいます。

予定配賦額=予定配賦率×実際の配賦基準(各製品ごとの作業時間など)

したがって、製造間接費の予定配賦を行う場合は事前に予定配賦率を算定しておく必要があります

予定配賦率の算定式

製造間接費を予定配賦額を算定する際に用いる予定配賦率は、一定期間における製造間接費の予定額(製造間接費の予算額)を、同期間における予定配賦基準の合計数値(基準操業度)で割り算することにより算定します。

予定配賦率=一定期間における製造間接費の予定額÷基準操業度

たとえば、1年間の製造間接費の予定額を1,000,000円、基準操業度を10,000時間(直接作業時間)とした場合の予定配賦率の算定は以下のようになります。

製造間接費の予定額1,000,000円÷基準操業度10,000時間=100円/時

各製造指図書へ配賦される製造間接費は、この事前に定めておいた予定配賦率を使用し、これに各指図書ごとに実際にかかった直接作業時間を乗じて算定することになります。

(関連項目)
予定配賦額の仕訳とボックス図の流れ(個別原価計算)
製造間接費の実際配賦の問題点と予定配賦

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