正常仕損と異常仕損の基礎

1.正常仕損と異常仕損の違い

仕損や減損は製造過程で生じる失敗品や原料の目減り分を言いますが、実際問題として製品を大量生産するような工場では、どれだけ失敗品が出ないように注意したとしても必ず何%かの確率で失敗品や不具合品などが生じてしまいます。また原料の一部が蒸発や飛散・ガス化などすることなどは避けようがありません。
このように通常の製造過程で生じることが予想される程度の仕損や減損を『正常仕損』や『正常減損』などといいます

いっぽう、何らかの理由で通常生ずる程度の範囲を超えて仕損や減損が発生してしまうこともあります。たとえば災害などで燃料が大量に流出してしまったりすることがあるかもしれません。
このように通常の製造過程で生じることが予想される程度を超える仕損や減損を『異常仕損』や『異常減損』などといいます

2.正常仕損と異常仕損の処理

上記のように仕損や減損には正常仕損(正常減損)と異常減損(異常減損)と呼ばれるものとがあります。
正常仕損(正常減損)は通常の製造過程で避けることができませんので、これはその期の完成品や期末仕掛品の負担させることになりますが、異常仕損(異常減損)については非原価項目として製造原価には算入せず当期の営業外費用または特別損失として処理します(原価計算基準「五 非原価項目」「二七 仕損および減損の処理」参照)。

正常仕損(減損) 製造工程で通常生じる程度の仕損(減損)。その期の完成品や期末仕掛品に負担させる。
異常仕損(減損) 通常生ずる程度を超える仕損(減損)。非原価項目として製造原価には算入せず、当期の営業外費用または特別損失として処理する。

(関連項目)
正常仕損・減損の負担関係(完成品のみか月末仕掛品も負担するか)
度外視法と非度外視法(総合原価計算の基礎)
異常仕損・異常減損の処理方法(総合原価計算)

スポンサーリンク