材料の消費価格の決定方法(先入先出法・移動平均法など)

材料の消費原価の計算(出入記録をおこなうもの)は、各種の材料について原価計算期間における実際の消費量に、その消費価格を乗じて計算します(詳細は材料の消費原価の計算の基礎を合わせてご参照ください)。

材料の消費原価=消費価格×実際消費量

上記の材料の消費価格(消費単価)については、原則として購入原価をもって計算しますが、同種の材料であっても購入時期や購入先がことなるなどにより、購入原価が異なる在庫が存在する場合があります。

原価計算基準11において、購入原価が異なる同種材料について、どの単価の材料を消費したのか、その消費価格の決定方法として以下の方法が挙げられています。

先入先出法 最も古く取得した材料から順番に消費しているものとして材料の消費単価を決定する方法です。
移動平均法 材料を取得するたびに、新たに取得した材料と、もともと保管されていた材料との平均原価を算出し、この平均原価をもって材料の消費価格を算定する方法をいいます。
総平均法 一定期間ごとに、取得した材料の平均原価を算出し、この平均原価をもって材料の消費価格を算定する方法をいいます。
後入先出法(※注) 最も新しく取得した材料から順番に消費しているものとして材料の消費価格を決定する方法です。
個別法 材料を取得原価の異なるごとに区別して記録しておき、実際に消費した材料の個々の実際原価をもって消費価格を決定する方法をいいます。

(※注) 上記の後入先出法は、財務会計の観点からは、平成20年9月26日改正「企業会計基準第9号 棚卸資産の評価に関する会計基準」においてその適用が排除されております。

(関連項目)
継続記録法と棚卸計算法(材料の消費量の算定)
予定価格を使ったときの勘定の流れ(材料費)

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